これが公明党非推薦自民党候補51名リストだ!(前回総選挙)
人力検索はてなで質問してみたものの、まったく反応がなかったので(存在しないっぽい)、前回総選挙(2005年)において公明党から推薦を受けなかった自民党候補のリストを作ってみた。
なお、2005年総選挙における自民党公認候補者は290名。うち239名を公明党が推薦した(過去最多)。したがって、51名が非推薦候補である。
公明党が推薦した自民党公認239人のうち、190人が小選挙区で当選、34人が比例区で復活当選した。当選率は小選挙区で79.5%(前回67.2%)、比例区での復活当選を含めると93.7%(前回79.8%)に達した。
選挙区 | 候補者名 | 経歴 | 当落 | 2009年立候補予定 |
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北海道1区 | 三品孝行 | 新人 | × | × |
北海道8区 | 佐藤健治 | 新人 | × | × |
北海道10区 | 飯島夕雁 | 新人 | 比 | ○ |
秋田2区 | 小野貴樹 | 新人 | × | × |
茨城5区 | 岡部英明 | 新人 | 比 | ○ |
埼玉2区 | 新藤義孝 | 元職 | ○ | ○ |
神奈川1区 | 松本純 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川2区 | 菅義偉 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川3区 | 小此木八郎 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川7区 | 鈴木恒夫 | 前職 | ○ | × |
神奈川10区 | 田中和徳 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川11区 | 小泉純一郎 | 前職 | ○ | × |
神奈川12区 | 桜井郁三 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川13区 | 甘利明 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川15区 | 河野太郎 | 前職 | ○ | ○ |
神奈川16区 | 亀井善之 | 前職 | ○ | × |
神奈川17区 | 河野洋平 | 前職 | ○ | × |
神奈川18区 | 山際大志郎 | 前職 | ○ | ○ |
山梨1区 | 赤池誠章 | 新人 | 比 | ○ |
山梨2区 | 長崎幸太郎 | 新人 | 比 | ▲ |
山梨3区 | 小野次郎 | 新人 | 比 | ○ |
東京3区 | 石原宏高 | 新人 | ○ | ○ |
東京8区 | 石原伸晃 | 前職 | ○ | ○ |
東京17区 | 平沢勝栄 | 前職 | ○ | ○ |
富山3区 | 萩山教厳 | 前職 | 比 | × |
福井1区 | 稲田朋美 | 新人 | ○ | ○ |
岐阜1区 | 佐藤ゆかり | 新人 | 比 | △ |
岐阜5区 | 和仁隆明 | 新人 | × | × |
静岡3区 | 柳澤伯夫 | 前職 | ○ | ○ |
静岡6区 | 倉田雅年 | 前職 | 比 | ○ |
滋賀2区 | 藤井勇治 | 新人 | 比 | ○ |
京都4区 | 中川泰宏 | 新人 | ○ | ○ |
大阪2区 | 川条志嘉 | 新人 | ○ | ○ |
大阪7区 | 渡嘉敷奈緒美 | 新人 | ○ | ○ |
奈良1区 | 鍵田忠兵衛 | 新人 | 比 | × |
愛媛1区 | 塩崎恭久 | 前職 | ○ | ○ |
愛媛2区 | 村上誠一郎 | 前職 | ○ | ○ |
愛媛3区 | 小野晋也 | 前職 | ○ | × |
愛媛4区 | 山本公一 | 前職 | ○ | ○ |
福岡1区 | 遠藤宣彦 | 新人 | 比 | ○ |
福岡7区 | 古賀誠 | 前職 | ○ | ○ |
福岡8区 | 麻生太郎 | 前職 | ○ | ○ |
福岡10区 | 西川京子 | 前職 | ○ | ○ |
福岡11区 | 山本幸三 | 元職 | 比 | △ |
佐賀2区 | 土開千昭 | 新人 | × | × |
佐賀3区 | 広津素子 | 新人 | 比 | ▲ |
大分1区 | 佐藤錬 | 前職 | 比 | × |
宮崎2区 | 上杉光弘 | 新人 | × | ▲ |
鹿児島2区 | 園田修光 | 元職 | × | × |
鹿児島3区 | 宮路和明 | 前職 | ○ | ○ |
鹿児島5区 | 米正剛 | 新人 | × | × |
凡例:
比=比例復活
△=違う選挙区(比例区含む)から立候補予定
▲=違う政党(無所属含む)から立候補予定
ちなみに、リストは公明党ニュースのバックナンバーや個人サイトからの情報をもとに推薦リストを抽出し、漏れている候補をピックアップした。手作業で行ったので、一部にミスがあるかもしれないので、発見した方はご指摘ください。
手間をかけた甲斐があって、いくつかの興味深い点がわかった。
公明党非推薦候補の共通点 4つの類型
公明党から推薦を受けていない自民党候補は、いくつかのパターンに分けられるようだ。
1) 刺客選挙区パターン
前回の郵政選挙では、郵政造反組に対して自民党公認候補を“刺客”として送り込むケースが多々あった。そういった選挙区では、過去の選挙協力の影響からか(あるいは将来的な関係を見越してか)、公認候補である刺客を公明党が推薦していない選挙区が多い。
例えば、佐藤ゆかり(岐阜1区)、長崎幸太郎(山梨2区)、広津素子(佐賀2区)などなど。もっとも多いパターンではないか。
2) 都道府県連パターン
各都道府県内の小選挙区すべてで推薦を受けていない県が二ヶ所ある。
山梨県と愛媛県である。
山梨県の3選挙区で自民党公認候補が推薦されなかった理由は、おそらく3選挙区とも刺客選挙区であり、1のパターンに該当するためだろう。
問題は愛媛県なのだが、刺客選挙区はゼロであるにもかかわらず、見事に4選挙区とも非推薦である。なにか特別が理由があるのかもしれないが、思い当たる節はない。不思議な現象である。
また、神奈川県も非推薦候補が多く、18選挙区中12選挙区で非推薦という最大の“公明党非推薦県”である。
実は、旧民社党(現在は民主党に合流)は55年体制下で公明党との結びつきが強く、旧民社党勢力が強かった地域(神奈川県、滋賀県、大阪府など)では、自公政権が成立した後も、民公バーターなる裏取引が行われるという悪しき慣例があった。ところが、この地域特性とはあまり関係なさそうである。
一体なにが理由なのだろうか。
3) 麻生派パターン
麻生太郎自身を始めとして、なぜか麻生派の議員は公明党からの推薦を受けていないケースが目立つ。
松本純、鈴木恒夫、河野洋平&太郎、桜井郁三がこれに該当する。たまたま神奈川県に麻生派議員が多いからなのかもしれないが。
4) 信念パターン
稲田朋美や平沢勝栄のように保守派議員は、ハト派的外交政策を掲げている公明党からの推薦をよしとしないのかもしれない。
また、過去に(細川政権、新進党時代などに)公明党に対して批判的な言動を取っていた議員も、このカテゴリーに含まれる。具体的には、自民党内の反公明党グループ憲法20条を考える会に参加していた、麻生太郎、亀井善之、村上誠一郎、石原伸晃らが該当する。この場合、自民党議員側が推薦を断ったのか、公明党側が非推薦を決めたのか定かではない。ただし、当時「憲法20条を考える会」に参加していた自民党議員の多くは、前回総選挙では推薦をもらっている(安倍晋三、中馬弘毅、島村宜伸ら)。
というわけで、問題は今回の総選挙なんだが、すでに第1次推薦から第3次推薦までは発表しているようなので、どなたかヒマな人がいたらまとめてもらえると嬉しいな。ヽ(´ー`)ノ